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住まいのお役立ち情報

2026.08.16(更新日:2026.08.16)

「家賃を払い続けるのはもったいない」は本当?賃貸と購入のメリット・デメリット比較

「家賃を払い続けるのはもったいない」は本当?賃貸と購入のメリット・デメリット比較

本記事では、「このまま家賃を払い続けていいのだろうか」と迷っている方が、賃貸と購入のどちらが自分に合っているかを判断できるよう、比較の考え方を整理します。

名古屋市では、居住世帯のある住宅1,128,700戸のうち借家が550,300戸を占め、持ち家住宅率は46.6%にとどまります。半数以上の世帯が賃貸で暮らしている計算です。その一方で、中古マンションの価格は2026年2月時点で70㎡換算2,937万円と、3,000万円台を目前にした水準まで上がってきました。全国の民営借家(非木造)の1か月当たり家賃は平均68,548円。10年住めば800万円を超える支払いになります。 

この記事の要約

  • 賃貸と購入は「お金・自由度・リスク・出口」の4つの軸で比べると違いが見えてくる
  • 名古屋の中古マンション相場をもとに、購入した場合の毎月の住居費を試算
  • 「あと何年そこに住むか」が、どちらを選ぶべきかを決める最大のポイント 

くらココ。では名古屋市内約7,000件の中古マンション情報を扱っています。実際の物件価格と月々の返済額の目安は、物件ページからご確認いただけます。

この記事は、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーなどの有資格者が在籍するくらココ。編集部が執筆しました。名古屋エリアに特化して10年、累計10,000組以上のご相談に向き合ってきた経験をもとに、実際の相場感と現場の声を交えてお伝えします。住まい選びの答えを見つける手がかりになれば幸いです。

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目次

H2① 「家賃を払い続けるのはもったいない」は本当か

住まいの話になると、必ずと言っていいほど登場するのがこの言葉です。実家の親から言われた方もいれば、同世代の友人が家を買ったタイミングで急に気になり始めた、という方もいらっしゃると思います。

ただし、この言葉はかなり大づかみな表現でもあります。まずは、この言葉が何を指しているのかを分解してみます。  

H3① 「家賃=消えるお金」という考え方の中身

この言葉の根拠は、支払ったお金が手元に何も残らない、という一点に尽きます。

たとえば月8万円の賃貸に30年住んだ場合、家賃だけで2,880万円。これに2年ごとの更新料や共益費が加わります。同じ金額を住宅ローンの返済に充てていれば、完済後には自分名義のマンションが残っていた——という比較から、「もったいない」という表現が生まれています。

もう少し丁寧に整理すると、次の3つの要素が重なった言い方だとわかります。

  • 資産が残らない:何年払い続けても、その部屋の所有権は得られません
  • 支払いに終わりがない:住宅ローンは完済すれば返済が終わりますが、家賃は住み続ける限り発生します
  • 住まいに手を入れられない:お金を払っているのに、壁紙ひとつ自分の好みに変えられません

いずれも事実ではあります。ただし、これは賃貸のデメリット側だけを取り出した見方でもあります。購入には購入で支払うお金があり、そちらを計算に入れないと比較になりません。まずは、何と何を比べるべきかを整理します。 

H2② 賃貸と購入の比較とは?何を比べれば判断できるのか

賃貸と購入の比較でつまずきやすいのは、「何と何を並べればいいのか」がはっきりしないまま考え始めてしまうことです。家賃と住宅ローンの返済額だけを見比べても、答えは出ません。

ここでは、そもそも両者は制度としてどう違うのか、そして比較するときにどんな軸を持てばいいのかを整理します。

H3① 賃貸と購入の基本的な違い(所有権・契約形態・支払いの性質)

賃貸と購入の違いは、突き詰めると「その住まいが誰のものか」に行き着きます。ここが違うことで、契約の形も、支払うお金の意味も変わってきます。

  賃貸 購入
住まいの所有者 大家(貸主) 自分
契約の形 賃貸借契約(2年更新が一般的) 売買契約(一度きり)
支払いの性質 住む権利への対価 資産の取得+ローンの返済
支払いの終わり 住み続ける限り続く 完済すれば終わる
内装・間取りの変更 原則できない(原状回復義務あり) 管理規約の範囲内で可能
ペット・楽器 物件の条件による 管理規約の範囲内
設備の交換・更新 貸主の判断による 自分で決められる
設備の修理費 原則は貸主が負担 自己負担
退去・住み替え 予告すればいつでも可能 売却または賃貸に出す必要がある

賃貸で支払う家賃は「住む権利を借りるための費用」です。ホテルの宿泊料が長期化したもの、と考えるとイメージしやすいかもしれません。一方、購入で支払うローン返済は「自分の資産を買うための分割払い」であり、性質がまったく違います。

ただし、購入したからといって支払いがゼロになるわけではありません。管理費・修繕積立金・固定資産税は、住み続ける限り毎年発生します。この点は賃貸と共通しています。

H3② 比較すべき4つの軸(①お金 ②自由度 ③リスク ④出口)

判断に必要な視点は、次の4つに整理できます。

  1. ① お金:入居時にかかる初期費用、毎月の支払い、住み続けた場合の総額。家賃と返済額を比べるだけでなく、管理費や税金まで含めた総支払額で見ます。
  2. ② 自由度:間取りや内装をどこまで変えられるか。設備が壊れたときに誰が直すか。ペットや楽器など、暮らし方の制約はどうか。
  3. ③ リスク:賃貸なら家賃の値上げ、建て替えによる退去要請、高齢期の入居審査。購入なら返済負担、資産価値の変動、修繕費の想定外の増加。どちらにもリスクはあります。
  4. ④ 出口:その住まいを離れるとき、どうなるか。賃貸は退去すれば終わりです。購入は売る・貸すという選択肢がある反面、手放すまでに時間と手間がかかります。

この4つのうち、どれを重く見るかは人によって違います。お金の総額で決める方もいれば、身軽さを最優先する方もいます。だからこそ、4つを並べたうえで自分の優先順位をつける作業が必要になります。

H3③ 「どちらが得か」ではなく「どちらが自分に合うか」で考える理由

賃貸と購入の比較記事では、生涯コストのシミュレーションを見かけることがあります。ただ、こうした試算の結果は前提条件によって簡単にひっくり返ります。

金利が何%か、何年住むか、購入した物件が将来いくらで売れるか、家賃が今後上がるかどうか。これらはいずれも将来の話であり、確定した数字ではありません。特に売却価格は、エリアや管理状態によって大きく変わります。

そして何より、住まいは金額だけで決まるものではありません。子どもに自分の部屋を用意したい、犬を飼いたい、キッチンにこだわりたい。そうした希望は、金額換算しにくくても暮らしの満足度を左右します。

くらココ。のご相談でも、最終的に決め手になるのは「その暮らしができるかどうか」であることがほとんどです。損得の計算はあくまで判断材料のひとつとして扱い、そのうえで自分の生活に合うほうを選ぶ。この順番で考えると、迷いが整理されやすくなります。

次の章から、4つの軸をひとつずつ具体的に見ていきます。

H2③ 【お金の比較】支払い続けるお金はどう違うのか

ここからは、実際の金額を並べて比べていきます。ポイントは、家賃と住宅ローンの返済額だけを見ないことです。入居時にかかるお金、毎月かかるお金、そして住み続けたときの総額。この3つを揃えて初めて比較になります。

H3① 入居時にかかるお金の違い(敷金・礼金 vs 頭金・諸費用)

まず、住み始めるまでにかかる費用です。

賃貸の場合:敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・火災保険料などを合わせて、家賃の4〜6か月分が目安です。家賃10万円の物件なら、40万〜60万円ほど。近年は敷金・礼金なしの物件も増えており、条件次第でさらに抑えられます。

購入の場合:物件価格とは別に、仲介手数料・登記費用・各種税金・ローン関連費用がかかります。目安は物件価格の7〜10%程度。2,500万円の物件なら、175万〜250万円ほどを見ておく必要があります。

金額の差は10倍近くになりますが、性質が違う点にも注意が必要です。賃貸の敷金は退去時に一部戻ってくる可能性があるお金である一方、購入の諸費用は戻ってきません。ただし購入の場合、支払った先に物件という資産が残ります。なお、諸費用の内訳や、諸費用をローンに含められるかどうかについては、「中古マンション購入の諸費用内訳」で詳しく説明しています。 

H3② 毎月かかるお金の違い(家賃・更新料 vs 返済額+管理費・修繕積立金)

毎月の支払いは、賃貸と購入で構成が変わります。

  賃貸 購入
基本の支払い 家賃 住宅ローン返済額
毎月の付帯費用 共益費・管理費 管理費・修繕積立金
定期的な費用 更新料(2年ごとに家賃1か月分程度) 固定資産税・都市計画税(年1回)
保険 火災保険(更新ごと) 火災保険(一括または年払い)

見落としやすいのが、購入側の管理費・修繕積立金です。住宅ローンを完済しても、この支払いは続きます。金額は物件の規模や築年数によって幅がありますが、合計で月2〜3万円になるケースは珍しくありません。

「返済額が家賃より安い」と感じても、管理費・修繕積立金を足すと逆転することがあります。比較するときは必ずこの2つを含めてください。

管理費・修繕積立金の相場や、金額が適正かどうかの見方については、中古マンションの管理費・修繕積立金の相場はいくら?で説明しています。 

H3③ 名古屋で買う場合、毎月の住居費はいくらになるか 

では、名古屋で実際に比べるとどうなるでしょうか。

東京カンテイの調査によると、2026年2月時点の名古屋市の中古マンション価格は70㎡換算で2,937万円でした。ファミリー向けの広さで考えると、これが一つの目安になります。 

借入額別・毎月の住居費の目安(35年返済・金利0.5%・管理費等2万円を含む)

借入額 ローン返済額 +管理費等 毎月の住居費
2,000万円 約51,900円 約20,000円 約72,000円
2,500万円 約64,900円 約20,000円 約85,000円
3,000万円 約77,900円 約20,000円 約98,000円

※試算です。金利が1.5%になると、同じ借入額でも月々1万円以上変わります。金利の種類や借入可能額の考え方は「名古屋の中古マンション購入|住宅ローン完全ガイド」で説明しています。

くらココ。で扱っている物件でも、頭金・ボーナス払いなしで月2万円台からという価格帯のものがあります。港区や緑区など、市内でも価格が抑えられているエリアでは、1,000万円以下の物件も流通しています。

H3④ 長く住むほど差が開く項目・住み替えるほど不利になる項目

同じ物件・同じ月額でも、住む年数によって有利不利が入れ替わります。

長く住むほど購入が有利に働きやすい項目

  • 住宅ローンは完済すれば返済が終わるが、家賃は住み続ける限り発生する
  • 賃貸は更新のたびに更新料がかかり、家賃改定の可能性もある
  • 購入は資産が手元に残り、売却や賃貸に出す選択肢が生まれる

短期間で住み替えるほど購入が不利に働きやすい項目

  • 購入時の諸費用(物件価格の7〜10%)は回収に時間がかかる
  • 売却時にも仲介手数料や税金がかかる
  • 売却までに数か月を要することがあり、その間も返済は続く

 

ここで重要なのは、「損益分岐点」は物件と金利と売却価格で変わるため、一律に何年とは言えないということです。一般的には、住む期間が長いほど購入側の初期費用が薄まっていく構造だと理解しておけば十分です。

お金の面だけを見ても、答えは「何年住むか」次第で変わります。次の章では、金額に表れない違いを見ていきます。

H2④ 【暮らしとリスクの比較】お金以外で差が出るポイント

金額の比較だけでは、賃貸と購入の違いは半分しか見えません。実際に暮らし始めてから効いてくるのは、「どこまで自分で決められるか」と「何が起きたときに困るか」です。

ここでは、日々の暮らしに関わる自由度と、それぞれが抱えるリスクを整理します。

H3① 内装・設備・修繕——自由度と負担者の違い

自由度と修繕負担は、いわば表と裏の関係です。賃貸は自分で決められない代わりに、給湯器やエアコンが経年劣化で壊れた場合の交換費用は貸主が負担します。購入は自由に手を入れられる代わりに、故障も自分で対応します。

中古マンションの場合、購入と同時にリノベーションを行い、内装や水回りをまとめて刷新する方も多くいらっしゃいます。賃貸では諦めていた要望を、購入とリノベーションを組み合わせることでまとめて実現する方も少なくありません。 

ただし、マンションで手を加えられるのは専有部分のみです。玄関ドアや窓のサッシ、バルコニーは共用部分にあたるため、自分の判断では変更できません。購入すれば何でも自由になるわけではない、という点は押さえておく必要があります。

H3② 住み替えのしやすさと、高齢期の入居審査という論点

暮らしの変化に対応できるかどうかも、判断材料になります。

住み替えのしやすさ:賃貸は、解約を予告すれば退去できます。転勤、転職、家族構成の変化、隣人トラブルなど何かあったときに場所を変えられる身軽さは、賃貸の大きな強みです。購入の場合、住み替えには売却か賃貸に出すという手続きが必要になります。買い手が見つかるまでの期間は物件によって差があり、その間もローンの返済は続きます。 

高齢期の入居審査:あまり語られませんが、賃貸には年齢が上がるにつれて部屋を借りにくくなるという側面があります。収入が年金中心になること、単身高齢者の場合は入居中の事故を懸念されることなどが理由です。

近年は高齢者の受け入れに前向きな物件や、家賃債務保証を利用できる仕組みも広がっており、以前ほど厳しくはなくなってきました。それでも、選べる物件の幅が狭まる可能性は残ります。

一方、持ち家であれば住み続けること自体に審査はありません。ただし、管理費・修繕積立金・固定資産税の支払いは続くため、老後の収支計画は必要です。

H3③ 賃貸のリスク(家賃改定・退去要請・老後の住居費)

賃貸を続ける場合に想定しておきたいのは、次の3点です。

  1. 家賃が上がる可能性:賃貸借契約は更新のたびに条件を見直す機会があります。周辺相場が上昇すれば、家賃改定を申し入れられることもあります。全国の借家の1か月当たり家賃は、2018年と比べて7.1%増加しています。今の家賃が30年間そのままとは限りません。 
  2. 退去を求められる可能性:建物の老朽化による建て替えや、貸主側の事情で退去を求められることがあります。正当な理由が必要とはいえ、可能性としてはゼロではありません。
  3. 老後も住居費が続く:最も大きいのはこの点です。退職後、収入が年金中心になっても家賃の支払いは続きます。仮に月8万円の家賃を65歳から90歳まで払い続けると、2,400万円になります。老後資金を考えるうえで、この住居費をどう見込むかは重要な論点です。

H3④ 購入のリスク(返済負担・資産価値の変動)と、「売る・貸す」という出口

購入にもリスクはあります。こちらも正直に整理します。

  1. 返済が長期にわたる:35年ローンを組めば、35年間の返済義務を負います。収入が減ったとき、病気になったとき、返済をどう続けるかを考えておく必要があります。団体信用生命保険で備えられる範囲もありますが、すべてのリスクをカバーできるわけではありません。
  2. 資産価値が変動する:購入した価格で売れる保証はありません。名古屋市の中古マンション価格は上昇傾向が続いてきましたが、2026年2月時点の分析では、3,000万円台を目前に天井感が強まり、前年同月比の上昇率は2%台まで縮小しているとされています。今後も同じペースで上がり続けると考えるのは、慎重になるべきところです。 
  3. 修繕費が想定を超えることがある:大規模修繕の時期に修繕積立金が値上げされたり、一時金を求められたりするケースがあります。購入前に長期修繕計画を確認しておくことで、ある程度は見通しが立てられます。

「売る・貸す」という出口があること:一方で、購入には賃貸にない選択肢があります。転勤になったら賃貸に出す、住み替えるなら売却して次の頭金に充てる、といった対応が可能です。

出口の価値を左右するのは、立地と管理状態です。駅からの距離、管理組合の運営状況、修繕の履歴。こうした要素が、将来売却や賃貸に出すときの条件を決めます。

賃貸にも購入にもリスクがあり、どちらかを選べば安全ということはありません。自分が受け入れられるリスクはどちらか、という視点で見ることが現実的です。

H2⑤ 【タイプ別】賃貸が向いている人・購入を検討する価値が高い人

ここまで、お金・自由度・リスク・出口の4つの軸で違いを見てきました。最後に必要なのは、それを自分の状況に当てはめる作業です。

同じ条件でも、暮らし方や将来の見通しによって答えは変わります。まずは5つの質問で状況を整理してみてください。

H3① まず確認したい5つの質問

  • Q1. そのエリアに、あと何年住む予定がありますか:10年以上住み続けそうなら購入を検討する意味があります。3〜5年で動く可能性が高いなら、賃貸のほうが身軽です。
  • Q2. 転勤や転職の可能性はどのくらいありますか:転勤の多い職種か、数年以内に転職を考えているか。可能性が高いほど、住まいを固定するリスクは大きくなります。
  • Q3. 収入は今後10年、安定して見込めそうですか:長期の返済を続けられるかどうかの土台です。雇用形態、業界の状況、共働きを続ける予定かどうかも関係します。
  • Q4. 家族構成は今後変わりそうですか:出産や親との同居で必要な広さが変わる場合、今の希望条件がそのまま将来も合うとは限りません。
  • Q5. 住まいに対して、どうしても叶えたいことはありますか:ペットを飼いたい、キッチンにこだわりたい、壁に棚を付けたい。賃貸では実現しにくい希望があるかどうかです。

この5つに答えると、自分がどちら寄りかが見えてきます。以下で、それぞれのタイプを整理します。

H3② 賃貸を続けたほうが合理的なケース

次のような状況では、賃貸を続ける選択に十分な合理性があります。

  • 数年以内に転勤・転職の可能性がある方:住まいを固定しない身軽さが、そのまま生活の安定につながります
  • 家族構成が変わりそうな方:必要な広さや間取りが定まってから購入するほうが、条件のミスマッチを避けられます
  • 家賃補助が手厚い方:企業によっては家賃の半額以上を負担するケースもあり、実質的な自己負担が小さくなります
  • 住みたいエリアがまだ決まっていない方:実際に住んでみて土地勘を得てから判断する、という進め方も現実的です
  • 収入の変動が大きい職種の方:長期の固定返済より、状況に応じて住居費を調整できるほうが安全な場合があります

大切なのは、これらが「購入できないから賃貸」ではなく、「今の状況では賃貸のほうが合っている」という積極的な選択だという点です。

H3③ 購入を検討する価値が高いケース

一方、次のような状況なら、一度は試算してみる価値があります。

  • 今後10年以上、同じエリアに住む見通しがある方:購入時の初期費用が年数で薄まり、資産としても積み上がっていきます
  • 家賃が相場より高いと感じている方:同等の物件を購入した場合の返済額と比べると、差が小さいことがあります
  • 住まいへのこだわりが強い方:間取りやデザインを自分で決められることの価値は、金額に表れにくい部分です
  • 老後の住居費を減らしておきたい方:完済すれば、管理費・修繕積立金・税金のみになります
  • 家族構成が固まっている方:必要な広さが明確なほど、物件選びの精度が上がります

名古屋市の中古マンション価格は70㎡換算で2,937万円という水準にあり、決して小さな買い物ではありません。だからこそ、勢いではなく、条件が揃っているかどうかで判断することが大切です。 

H3④ 「あと何年そこに住む予定か」が最大の分かれ目になる理由

5つの質問のなかで、最も影響が大きいのはQ1の「あと何年住むか」です。

理由は、購入には入口と出口の両方に費用がかかるからです。購入時には物件価格の7〜10%の諸費用、売却時には仲介手数料や税金。この費用は住む年数で割って考えることになるため、期間が短いほど1年あたりの負担が重くなります。

たとえば諸費用200万円を5年で割れば年40万円、20年で割れば年10万円。同じ金額でも、住む期間によって重みがまったく違います。

反対に、住む期間が長いほど賃貸側の負担も積み上がります。家賃は住み続ける限り発生し、更新料も繰り返しかかります。老後まで含めて考えると、この差は無視できない規模になります。

つまり、「何年住むか」がはっきりすれば、判断の8嵐は決まります。逆にここが読めない場合は、無理に決めず賃貸で様子を見るのも一つの方法です。

くらココ。のご相談でも、まず伺うのはこの点です。「何年後にどうなっていたいか」を一緒に整理するところから始めています。

H2⑥ 名古屋で賃貸から購入に切り替えた人は、何がきっかけだったのか

ここまでは考え方の整理でした。ここからは、実際に賃貸から購入へ切り替えた方が、どんなきっかけで動き出したのかをご紹介します。

一般論よりも、同じように迷っていた方の具体的な経緯のほうが、判断の参考になることがあります。

H3① 「もったいない」から動き出した、東区S様のケース

購入エリア:名古屋市東区

S様が中古マンションの購入を考え始めたきっかけは、まさにこの記事のテーマそのものでした。ずっと賃貸に住んでおり、毎月家賃を払うことをもったいないと感じていた。自分の家を買えば、その感覚がなくなるのではないか。そう考えたのが出発点だったといいます。

ただ、そこから動き出すまでには不安がありました。それは金額の不安というより、手続きの全体像がまったく見えないことへの不安です。家を買うこと自体が初めてで、探し方も手続きもわからない。S様の言葉を借りれば「わからないことがわからない」という状態でした。何を調べればいいのかがわからないと、そもそも調べ始めることができません。

くらココ。にご相談くださったきっかけは、Googleの口コミでした。電話で話しやすいと感じ、後日ご来店いただいて「この方だったら安心して任せられる」と思っていただけたことが決め手になったそうです。

購入されたのは、それまでのお住まいから徒歩15分ほどの場所にあるマンション。生活圏は大きく変わっていませんが、周辺施設の充実度がまったく違っていたとのことです。室内はリノベーションを行い、理想としていた雰囲気と配置を実現されました。満足度は「150点」という評価をいただいています。

S様のケースが示していること

注目したいのは、S様を最終的に動かしたのが損得の計算ではなかったという点です。

きっかけは「家賃がもったいない」という気持ちでしたが、そこから先に進めたのは、相談できる相手が見つかり、わからないことがひとつずつ解消されていったからでした。購入後の満足度を押し上げているのも、金額より「理想の空間ができた」「周辺環境が良かった」という暮らしの実感です。

「もったいない」という感覚は、動き出すきっかけとしては十分に機能します。ただ、それだけでは決断まで届かないことも多い。気持ちが動いたら、次は具体的に調べてみる。この一歩が判断を前に進めます。

H3② 賃貸の不満として実際に多く挙がる声

くらココ。には年間を通じて多くのご相談が寄せられますが、賃貸から購入を検討し始めた方が口にする不満には、共通するものがあります。現場で特によく耳にするのは次の3つです。

  1. 音の問題:上階の足音、隣室の話し声、廊下を歩く音。賃貸マンションは遮音性能に幅があり、住んでみないとわからない部分でもあります。分譲マンションのほうが構造上しっかりしているケースが多く、この点を理由に検討を始める方は少なくありません。
  2. 収納の少なさ:特にお子さまが生まれた後、荷物が増えて手狭に感じるという声が多く聞かれます。賃貸では収納を増やす工事ができないため、我慢するか広い部屋に引っ越すかの二択になります。
  3. 設備の古さ:浴室乾燥機がない、コンロが2口しかない、コンセントの位置が使いにくい。貸主の判断で更新されない限り、入居者側から変えることはできません。

設備の故障が貸主負担であることは賃貸のメリットですが、更新のタイミングを自分で決められないという裏返しでもあります。この構造を理解したうえで、どちらを取るかという判断になります。

なお、こうした不満をお持ちの方全員に購入をおすすめしているわけではありません。ご相談のなかには、状況を伺ったうえで「今回は賃貸を続けたほうがいいと思います」とお伝えするケースもあります。数年以内に転勤の可能性がある方、家族構成が変わりそうな方、収入の見通しが立てにくい時期にある方などです。

住まいの相談は、購入を前提にするものではありません。まず状況を整理して、そのうえでどちらが合うかを一緒に考える。くらココ。ではその順番を大切にしています。

H2⑦ 賃貸と購入の比較でよくある質問(FAQ)

賃貸と購入で迷っている方から、くらココ。によく寄せられる質問をまとめました。

H3① 転勤の可能性がありますが、購入しても大丈夫ですか?

可能性の高さと時期によります。

数年以内に確実な転勤が見込まれる場合は、賃貸を続けるほうが無理がありません。一方、「いつかあるかもしれない」という程度であれば、購入を選ぶ方も多くいらっしゃいます。

転勤になった場合の選択肢は3つです。単身赴任する、売却する、賃貸に出す。このうち賃貸に出す方法は、住宅ローンの契約内容によって金融機関の承諾が必要になるため、事前に確認しておくと安心です。

判断の目安としては、転勤の可能性が高いほど、駅に近く需要のあるエリアを選んでおくこと。売るにも貸すにも、条件の良い物件のほうが選択肢が広がります。

H3② 独身ですが、一人でマンションを購入する人はいますか?

珍しくありません。くらココ。でも、単身の方のご相談を数多くお受けしています。

背景にあるのは、老後の住居費への意識です。全国の借家の1か月当たり家賃は2018年と比べて7.1%増加しており、退職後も家賃を払い続けることへの不安を口にされる方は少なくありません。また、高齢になると賃貸の入居審査が通りにくくなる可能性も、検討のきっかけになっています。 

住宅ローンについても、単身であることが不利になるわけではありません。審査で見られるのは主に収入の安定性と借入状況です。

ただし、将来結婚や同居の可能性がある場合は、広さや間取りをどう考えるかが論点になります。売りやすさ・貸しやすさを意識して、コンパクトでも立地の良い物件を選ぶ方が多い傾向です。

H3③ 家賃補助が手厚い場合、賃貸を続けたほうがいいですか?

補助の金額と、支給される期間の両方を確認してください。

たとえば月3万円の補助が出ていれば、実質的な家賃負担はその分軽くなります。この状態では、購入の返済額と比べたときに賃貸が有利になるケースが多くなります。

ただし、確認しておきたい点が2つあります。ひとつは支給期間に上限があるかどうか。入社から一定年数、あるいは一定年齢までという条件が付いている企業もあります。もうひとつは、持ち家取得時に別の補助制度があるかどうか。住宅手当という形で、購入後も支給される企業もあります。

補助が終了する時期がわかっていれば、それを前提に住まいの計画を立てられます。就業規則や人事部への確認をおすすめします。

H3④ 実家を相続する予定がある場合は、賃貸のままがいいですか?

一概には言えません。確認しておきたいのは次の3点です。

  1. そこに住む予定があるか:実家の場所が勤務先から遠い、生活圏と合わないという場合、相続しても住まないことがあります。その場合は別に住まいが必要です。
  2. 相続する時期が読めるか:何十年も先になる可能性があります。それまでの住まいをどうするかは、別に考える必要があります。
  3. 他に相続人がいるか:兄弟姉妹がいる場合、実家を単独で相続できるとは限りません。話し合いの結果、売却して分割することもあります。

「実家があるから」という理由だけで判断を先送りにすると、必要な時期に選択肢が狭まることがあります。実家の扱いと、当面の住いは、切り分けて考えるのが現実的です。

H2⑧まとめ|賃貸と購入は「損得」ではなく「暮らし方」で選ぶ

最後に、この記事の要点を整理します。

H3① この記事で比較した4つの軸のおさらい 

賃貸と購入を比べるときは、次の4つの軸で見ると違いが整理できます。

  • ① お金:入居時の費用は賃貸が家賃の4〜6か月分、購入が物件価格の7〜10%。毎月の支払いは、購入の場合ローン返済額に管理費・修繕積立金を加えて比較します。名古屋市の中古マンション価格は2026年2月時点で70㎡換算2,937万円という水準にあります。 
  • ② 自由度:内装や間取りを変えられるのは購入側。ただし設備の修繕費は自己負担になります。賃貸は手を加えられない代わりに、経年劣化による故障は貸主が対応します。
  • ③ リスク:賃貸は家賃改定、退去要請、老後も住居費が続くこと。購入は長期の返済負担、資産価値の変動、修繕費の増加。どちらにもリスクがあり、どちらかを選べば安全ということはありません。
  • ④ 出口:賃貸は退去すれば終わります。購入は売る・貸すという選択肢がある一方、手放すまでに時間と費用がかかります。出口の条件を左右するのは、立地と管理状態です。

H3② 「もったいない」かどうかは、住む年数と暮らし方で変わる

「家賃を払い続けるのはもったいない」という言葉は、事実の一面をとらえています。支払っても資産は残らず、住み続ける限り支払いに終わりはありません。

ただし、購入にも入口と出口の両方に費用がかかります。この費用は住む年数で割って考えることになるため、期間が短いほど1年あたりの負担が重くなります。数年で住み替える前提なら、賃貸の身軽さのほうが理にかなっています。

判断の分かれ目になるのは、次の5点です。

  • そのエリアにあと何年住む予定か
  • 転勤や転職の可能性はどのくらいあるか
  • 収入は今後10年、安定して見込めそうか
  • 家族構成は今後変わりそうか
  • 住まいに対して、どうしても叶えたいことがあるか

なかでも影響が大きいのは、1つめの「何年住むか」です。ここがはっきりすれば、判断の大部分は決まります。逆に読めない場合は、無理に決めず賃貸で様子を見るという選択も十分に合理的です。

そして、金額の計算だけで答えが出るわけではないという点も押さえておきたいところです。実際に購入された方の満足度を押し上げているのは、多くの場合「理想の空間ができた」「周辺環境が良かった」という暮らしの実感でした。

損得の試算は判断材料のひとつとして扱い、そのうえで自分の生活に合うほうを選ぶ。この順番で考えると、迷いが整理されやすくなります。

H2⑨名古屋の中古マンション探しならくらココ。にご相談ください

「今の家賃と比べて、実際いくらの返済になるのか知りたい」「買うかどうかはまだ決めていないけれど、選択肢だけ知っておきたい」——そんな段階でのご相談を、くらココ。は歓迎しています。

くらココ。が選ばれる理由

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  • 約7,000件の物件情報:一般に公開されている物件は全体のごく一部です。会員登録やご来店で、より多くの選択肢からお探しいただけます
  • 中古×リノベーションをワンストップで対応:物件探しからリノベーションの設計・施工まで一貫してサポートします
  • 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーなどの有資格者が在籍:資金計画から物件選び、住宅ローンまで、それぞれの専門家がお答えします

賃貸と購入で迷っている段階でも、まったく問題ありません。ご状況を伺ったうえで、賃貸を続けるほうが合っていると感じた場合は、そのままお伝えしています。無理な営業は一切いたしませんので、まずはお気軽にお声がけください。

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執筆者紹介

くらココ。編集部

名古屋エリア特化の中古マンション×リノベーション専門チーム。
約10年で累計1万組以上の相談実績を持ちます。宅建士やFP、リフォーム提案士などのプロが結集し、物件探しから資金計画、設計、購入後のアフターフォローまで一貫サポート。あなたの理想のマンションライフを実現します。


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