
中古マンションの管理費とは日々の共用部を維持するための費用、修繕積立金とは将来の大規模修繕に備えて積み立てるお金で、どちらも住宅ローンの返済とは別に毎月かかる固定費です。
月額の目安は全国平均で合計2万8,000円ほどとされていますが、実際の金額は物件によって大きく変わります。名古屋市内は16区あり、同じような間取り・広さでも、築年数や総戸数の違いで管理費・修繕積立金が月1万円以上変わることは珍しくありません。物件価格だけを見て決めてしまうと、購入後に負担の大きさで驚くことになりがちです。
この記事の要約
- 築年数別・規模別に見る、管理費・修繕積立金の相場の目安と試算方法
- 金額に差が出る3つの要因(建物の規模・長期修繕計画・管理形態)
- 将来値上がりしやすい修繕積立金の見抜き方と、高い・安いの判断の目安
物件ごとの具体的な金額は、くらココ。の物件詳細ページでご確認いただけます。金額が妥当かどうかの見方について、来店でのご相談も承っています。
この記事は、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーなどの有資格者が集まる、くらココ。編集部が執筆しています。名古屋エリアに特化して10年、累計10,000組以上のご相談に携わるなかで実際に伺ってきた疑問をもとにまとめました。毎月の固定費まで含めて納得のいく物件選びにつながれば幸いです。
目次
管理費・修繕積立金とは?中古マンション購入前に知っておきたい基礎知識

中古マンションを購入すると、住宅ローンの返済とは別に、毎月「管理費」と「修繕積立金」を支払うことになります。まずはそれぞれがどんなお金なのか、基本から見ていきましょう。
管理費とは│何に使われるお金なのか
管理費は、マンションを日常的に維持していくための費用です。エントランスや廊下などの共用部分の清掃、エレベーターの保守点検、共用部の電気代、管理会社への委託費用などに充てられます。いわば「マンションの日々の暮らしやすさを保つための費用」といえます。
修繕積立金とは│何に使われるお金なのか
修繕積立金は、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新といった大規模修繕工事のために、住民全員で少しずつ積み立てておくお金です。工事は10〜15年に一度など、まとまった周期で行われるため、その都度高額な費用を一括で集めるのではなく、毎月コツコツ積み立てておく仕組みになっています。

管理費・修繕積立金は住宅ローンの返済額に含まれない「別枠の固定費」
管理費・修繕積立金は、住宅ローンの月々の返済額とは別に発生する固定費です。そのため、購入後の資金計画を立てる際は「ローン返済額+管理費+修繕積立金」を合計した金額で、無理のない負担かどうかを確認しておくことが大切です。
【最新データ】中古マンション管理費・修繕積立金の相場|全国平均と名古屋で見るときの目安

まずは、名古屋エリアの中古マンションを検討するうえで目安となる管理費・修繕積立金の相場感を見ていきましょう。
管理費・修繕積立金は物件価格の何%くらいを目安にすればいい?
管理費・修繕積立金には「物件価格の〇%が適正」という明確な公式基準はありません。ただ、資金計画を立てる際の一つの考え方として、年間の管理費・修繕積立金の合計額が物件価格に対してどれくらいの割合になるかを試算しておくと、負担感をイメージしやすくなります。
たとえば、国土交通省の調査では管理費と修繕積立金の月額合計はおおむね2万8,000円程度が一つの目安とされています。仮に物件価格2,000万円のマンションであれば、年間の管理費・修繕積立金は約33万6,000円となり、物件価格に対しては年1.5〜2%前後というのが一つのイメージです。同じ費用でも、物件価格が高いほど負担割合は小さく感じられ、価格が抑えめな物件ほど割合としては大きく見えることがあります。
大切なのは「割合」だけで判断するのではなく、住宅ローンの返済額と管理費・修繕積立金を合計した「毎月の総支払額」が、ご自身の家計にとって無理のない範囲かどうかを確認することです。物件価格が予算内でも、管理費・修繕積立金を含めた毎月の負担が想定より重くなるケースもあるため、購入前に必ずセットで確認しておくことをおすすめします。
名古屋の物件相場や購入にかかる費用全体は、名古屋の中古マンション購入の相場・費用・手続きをまとめた完全ガイドで解説しています。
築年数別に見る相場の違い(築浅/築古)
管理費・修繕積立金は、築年数によっても傾向が異なります。国土交通省の調査によると、修繕積立金の平米単価の平均値は181.9円/㎡で、専有面積70㎡に換算すると月額12,733円程度、全国平均は月額13,054円となっています。
一般的には、築浅物件は長期修繕計画の初期段階にあるため修繕積立金が低めに設定されていることが多く、築年数が経過するほど大規模修繕の実施や計画の見直しにあわせて金額が上がっていく傾向があります。名古屋エリアでも、築10年未満と築25年以上の物件を比べると、修繕積立金に差が出やすいのが実情です。
築年数ごとのメリット・デメリットは、名古屋で狙う「新耐震×リノベ」の中古マンションで整理しています。
完成年次と専有面積から相場を試算する方法
気になる物件の金額が高いのか安いのかを判断するには、全国平均と比べるよりも、同じような完成年次・専有面積の物件と比べるほうが実感に近づきます。国土交通省「令和5年度マンション総合調査」では、完成年次別の修繕積立金の平米単価が公表されており、次のような目安になっています。
| 完成年次 | 修繕積立金の平米単価 | 専有面積70㎡の場合の月額目安 |
|---|---|---|
| 2020年以降(築浅) | 約124円/㎡ | 約8,680円 |
| 1995〜1999年(築26〜30年) | 約180円/㎡ | 約12,600円 |
試算式は「平米単価 × 専有面積」です。たとえば専有面積65㎡の物件を検討している場合、築浅なら月8,000円前後、築25年以上なら月1万2,000円前後が一つの目安になります。物件情報に記載された金額がこの水準から大きく離れている場合は、その理由を確認してみるとよいでしょう。
ここで注目したいのが、築浅と築古で月額に4,000円近い差が生まれている点です。これに管理費の差や、機械式駐車場・共用施設の有無が重なると、同じ広さの物件でも合計で月1万円以上の開きが出ることがあります。名古屋市内でも、都心部の築浅物件と郊外の築古物件では条件が大きく異なるため、複数の物件を比較する際は「専有面積あたりいくらか」という視点を持っておくと判断しやすくなります。
総戸数・規模別に見る相場の違い(大規模/小規模マンション)
マンションの総戸数や階数によっても、管理費・修繕積立金には違いが見られます。国土交通省「マンション総合調査」の結果からは、3階建て以下や4〜5階建てといった小規模な物件のほうが、修繕積立金の平均額が高めになる傾向があることが示されています。一方で、共用設備が充実しているイメージのあるタワーマンションであっても、修繕積立金が突出して高いわけではなく、共用設備・施設の内容や住戸数によって金額はさまざまです。
これは、スケールメリットが働くかどうかが影響しています。総戸数が多いほど1戸あたりの負担額が分散されやすい一方、小規模マンションは工事費用を少ない戸数で割ることになるため、1戸あたりの負担が大きくなりやすい、という仕組みです。
総戸数による暮らしへの影響は、大規模・小規模・タワーマンションの違いと選び方で詳しく比較しています。
管理費・修繕積立金に差が出る3つの要因

同じような立地・価格帯の物件でも、管理費・修繕積立金の金額に差が出ることがあります。ここでは、金額に影響する主な3つの要因を整理します。
①建物の規模・共用設備のグレード
管理費・修繕積立金は、建物の規模や共用部分の設備によって変わります。金額が上がりやすい主な条件は次の通りです。
- 総戸数が少なく、1戸あたりの負担が分散しにくい
- エレベーターの基数が多い、または高層向けの仕様
- ラウンジ・フィットネスジム・宅配ボックスなど共用施設が充実している
- 機械式駐車場を採用している
反対に、総戸数が多く共用設備がシンプルな物件は、1戸あたりの負担が抑えられる傾向があります。共用設備が充実している物件は暮らしの快適さにつながる一方、その分だけ維持費もかかる、という関係性を押さえておくとよいでしょう。
②長期修繕計画の内容
修繕積立金の金額は、管理組合が定める「長期修繕計画」に基づいて設定されています。長期修繕計画とは、外壁塗装や防水工事、給排水管の更新といった大規模修繕の時期と概算費用を、10〜30年程度先まで見込んで計画したものです。
この計画の内容によって、毎月の積立金額は次のように変わります。
- 計画に盛り込む工事内容が多い、または工事範囲が広い:積立金は高めに設定されやすい
- 計画の見直し(5年に一度が目安)が定期的に行われている:将来の値上げリスクが把握しやすい
- 計画が長期間見直されていない:将来、大幅な増額が必要になる可能性がある
同じ築年数の物件でも、長期修繕計画の内容次第で「今の金額は低いが将来上がりやすい物件」と「今の金額は妥当で将来も安定しやすい物件」に分かれる、という点は覚えておきたいポイントです。
③管理形態(自主管理/管理会社委託)
マンションの管理形態も、管理費に影響する要素の一つです。管理形態には主に次の2種類があります。
- 管理会社への全部委託:清掃・点検・会計処理などを管理会社に委託する形態。管理費に委託費用が含まれるため、費用はかかるものの、管理業務の質が安定しやすい
- 自主管理・一部委託:管理組合が業務の一部または全部を自ら行う形態。委託費用がかからない分、管理費を抑えられる場合があるが、管理組合の運営体制によって管理の質にばらつきが出ることもある
どちらが良い・悪いというものではなく、それぞれに特徴があります。管理形態を確認する際は、金額の高さ・安さだけでなく、日常の管理や修繕がきちんと行われているかどうかも合わせて見ておくと安心です。
要注意!将来値上がりしやすい修繕積立金の見抜き方

修繕積立金は、購入時の金額がそのままずっと続くとは限りません。ここでは、将来値上がりしやすい修繕積立金の特徴と、見抜くためのポイントを解説します。
段階増額積立方式とは│なぜ将来金額が上がるのか
修繕積立金の設定方式には、主に次の2種類があります。
- 均等積立方式:将来にわたって毎月ほぼ一定の金額を積み立てていく方式
- 段階増額積立方式:分譲時は低めの金額からスタートし、5年ごとなど一定期間ごとに段階的に金額を引き上げていく方式
新築マンションの多くは、購入時の負担を軽くするために段階増額積立方式を採用しているケースが多く見られます。この方式では、購入当初の金額だけを見ると割安に感じられますが、将来的に決められたタイミングで増額が予定されているため、「今の金額」ではなく「将来の金額」まで確認しておくことが大切です。中古マンションを検討する際も、この方式が採用されている物件かどうかによって、今後の負担の見通しが変わってきます。

修繕積立金が不足しているサインとは
修繕積立金が計画通りに積み立てられていない、または不足している場合、次のようなサインが見られることがあります。
- 長期修繕計画に対して、現在の積立金残高が大きく不足している
- 過去の大規模修繕で、一時金の徴収や借入が発生している
- 修繕積立金の滞納が一定割合以上ある
- 長期修繕計画そのものが長期間見直されていない
こうした状態のマンションは、今後まとまった増額や一時金の徴収が必要になる可能性があります。購入時の金額の安さだけで判断せず、積立金が計画に対してどの程度確保できているかという視点も持っておくと安心です。
長期修繕計画書で確認しておきたいポイント
中古マンションを検討する際は、可能であれば長期修繕計画書や修繕積立金の残高を確認しておくと、将来の負担をイメージしやすくなります。主なチェックポイントは次の通りです。
- 直近で長期修繕計画の見直しが行われているか(目安は5年に一度)
- 計画に対して、現在の積立金残高が不足していないか
- 段階増額積立方式の場合、次の増額時期と金額が示されているか
- 過去に大規模修繕の実施履歴があるか、その際に一時金徴収がなかったか
これらの資料は、重要事項調査報告書や管理組合の総会議事録などで確認できます。中古マンション購入時に確認できる書類全般については、重要事項説明書で確認すべき記載項目もあわせてご覧ください。
管理費・修繕積立金は高い方がいい?安い方がいい?判断の目安

管理費・修繕積立金は「安ければ安いほど良い」というものではありません。ここでは、金額の高い・安いをどう捉えればよいか、判断の目安を整理します。
管理費が極端に安い物件に潜むリスク
管理費が周辺の相場と比べて極端に安い場合、次のような背景が考えられます。
- 清掃や点検の頻度が少ない、または管理業務の範囲が限定的
- 管理会社への委託費用が最低限に抑えられている
- 修繕積立金とのバランスが悪く、管理費側の予算が不足気味になっている
管理費が安いこと自体は必ずしも悪いことではありませんが、その理由が「管理が行き届いていないから安い」のか「無駄なく効率的に運営されているから安い」のかによって意味合いが変わってきます。内覧の際に、共用部分の清掃状態やエントランス周りの手入れの様子を確認しておくと、管理費に見合った管理が行われているかどうかの参考になります。
内覧で見ておきたい項目は、中古マンション内覧で見るべきポイントとチェックリストにまとめています。
修繕積立金は「金額の大小」より「計画の妥当性」で見る
修繕積立金についても、金額の高さ・安さだけで良し悪しを判断するのは難しい費用です。判断の軸としては、次の視点を持つことをおすすめします。
- 現在の金額が、長期修繕計画に基づいて設定された金額なのか
- 計画に対して積立金の残高が十分に確保されているか
- 将来の増額予定がある場合、その内容が示されているか
金額が低い物件は「今の負担は軽いが、将来まとまった増額があるかもしれない」、金額が高い物件は「今の負担は重いが、将来の急な値上げは起こりにくいかもしれない」という、それぞれ異なる特徴を持っています。どちらが自分たちのライフプランに合っているかという視点で見比べることが、後悔しない選び方につながります。
管理費・修繕積立金に関するよくある質問

Q1.管理費・修繕積立金の平均的な費用はどれくらいですか?
国土交通省の調査によると、管理費と修繕積立金を合わせた月額の目安はおおむね2万8,000円程度とされています。ただし、これはあくまで全国平均であり、実際の金額は建物の規模・築年数・共用設備の内容によって変わります。名古屋エリアの物件についても、同じような目安を参考にしつつ、個別の物件情報で金額を確認することをおすすめします。
Q2.購入後すぐに金額が変わることはありますか?
段階増額積立方式を採用している物件の場合、あらかじめ決められたタイミングで修繕積立金が増額されることがあります。また、長期修繕計画の見直し(目安は5年に一度)のタイミングで、計画内容に応じて金額が変更される場合もあります。購入前に、現在の金額だけでなく、今後の増額予定があるかどうかも確認しておくと安心です。
Q3.初めての中古マンション購入でも確認方法はわかりますか?
はい、初めての方でも問題ありません。管理費・修繕積立金や長期修繕計画の内容は、重要事項調査報告書などの書類で確認できますが、専門的な内容も多く含まれるため、内容の見方に不安がある場合は不動産会社に確認しながら進めることをおすすめします。くらココ。では、宅建士やFPなどの有資格スタッフが、物件ごとの管理費・修繕積立金についてもご説明していますので、気になる点はお気軽にご相談ください。
Q4.検討中の物件の管理費・修繕積立金が高いかどうかはどう判断しますか?
全国平均と比べるだけでなく、完成年次と専有面積が近い物件同士で「専有面積あたりいくらか」を比べると判断しやすくなります。修繕積立金であれば、平米単価に専有面積を掛けた金額が一つの目安です。目安から大きく離れている場合は、共用設備の内容や長期修繕計画の状況を確認してみることをおすすめします。
まとめ|名古屋で管理費・修繕積立金に納得して中古マンションを選ぶために

ここまで、名古屋エリアの中古マンションにおける管理費・修繕積立金の相場や、金額に差が出る仕組みについて解説してきました。最後に、この記事の要点を整理します。
- 管理費・修繕積立金は住宅ローンの返済とは別にかかる固定費であり、管理費は日常の維持管理、修繕積立金は将来の大規模修繕のための積立金という役割の違いがある
- 金額は物件価格に対する明確な割合基準があるわけではなく、建物の規模・共用設備・長期修繕計画の内容・管理形態によって差が生まれる
- 相場を判断する際は全国平均と比べるだけでなく、完成年次と専有面積が近い物件と「専有面積あたりの金額」で比べると実感に近づく
- 段階増額積立方式が採用されている場合や、長期修繕計画の見直しが行われていない場合は、将来の値上がりリスクがあるため、今の金額だけでなく将来の見通しまで確認しておくことが大切
管理費・修繕積立金は、金額の高い・安いだけで単純に判断できるものではなく、その背景にある管理体制や長期修繕計画の妥当性まで含めて見ていくことが、購入後の安心につながります。
名古屋の中古マンション探しはくらココ。にご相談ください

管理費・修繕積立金は、金額だけを見ても判断が難しく、長期修繕計画の内容や管理体制まで含めて確認することが大切な項目です。だからこそ、物件選びの段階から専門知識を持ったスタッフに相談しながら進めていただきたいと考えています。
くらココ。では、次のような体制で名古屋エリアの中古マンション探しをサポートしています。
- 名古屋エリアに特化して10年、累計10,000組以上のご相談実績
- 約7,000件の物件情報から、ご希望に合った物件をご提案
- 中古マンション探しからリノベーションまでのワンストップ対応
- 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの有資格者が在籍
管理費・修繕積立金のことだけでも、もちろんお気軽にご相談いただけます。「この金額は妥当なのか知りたい」「将来値上がりしそうな物件かどうか見てほしい」といった段階でも構いませんので、ぜひお声がけください。
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