
本記事では、名古屋で中古マンションの購入を検討している方に向けて、インスペクション(建物状況調査)を依頼すべきかどうかの判断基準を整理していきます。
名古屋市内で流通する中古マンションは約7,000件あり、そのなかには築30年を超える物件も少なくありません。価格の手ごろさは大きな魅力ですが、その一方で「配管や下地など、見えない部分は大丈夫だろうか」という不安を抱えたまま話を進めてしまう方も多いのが実際のところです。
この記事の要約
- インスペクションは建物の状態を第三者が診断する調査で、専有部分が中心。将来の不具合を保証するものではありません
- 必要性は物件の状態と購入後の計画しだい。築年数や長期空室、リノベーション前提かどうかが判断の分かれ目になります
- 費用の目安は数万円台から。売買契約前に実施できるかがポイントで、依頼先選びにもコツがあります
くらココ。のサイトでは、名古屋16区の中古マンションを築年数や管理状況とあわせて検索できます。気になる物件が見つかったら、調査が必要かどうかも含めてご相談ください。
この記事は、くらココ。編集部が執筆しています。宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーなどの有資格者が在籍し、名古屋エリアに特化して10年、累計10,000組以上のご相談に向き合ってきました。迷いやすいポイントを一つずつ解きほぐしていきますので、判断材料としてお役立ていただけましたら幸いです。
目次
① 中古マンションのインスペクション(建物状況調査)とは

定義と目的|「診断」であって「保証」ではない
インスペクションとは、建築の専門家が第三者の立場から建物の状態を調べ、劣化や不具合の有無を報告してくれる調査のことです。
日本では2018年の宅地建物取引業法の改正により、「建物状況調査」という名称で制度化されました。国が定めた講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が、決められた基準にそって目視や計測を中心に確認していきます。
目的はシンプルで、買主が建物の状態を把握したうえで購入を判断できるようにすることです。中古マンションは新築と違って一戸ずつ状態が異なるため、「この物件は今どういうコンディションなのか」を客観的に知る手段として使われています。
ここで押さえておきたいのが、インスペクションは調査した時点の状態を報告するものであり、その後に不具合が出ないことを保証する制度ではないという点です。「調査を受けたから安心」ではなく、「判断材料が一つ増える」くらいの受け止め方が実態に近いといえます。
建物状況調査/ホームインスペクション/耐震診断の違い
似た言葉が並ぶので、最初に整理しておきましょう。
| 建物状況調査 | ホームインスペクション | 耐震診断 | |
|---|---|---|---|
| 位置づけ | 宅建業法に基づく制度 | 民間の建物調査サービスの総称 | 建物の耐震性能の評価 |
| 実施する人 | 既存住宅状況調査技術者(講習を修了した建築士) | 事業者による(建築士が担当することが多い) | 建築士・診断機関など |
| 調査範囲 | 国が定めた基準にそって統一 | 事業者ごとに幅がある | 建物全体の構造 |
| マンションでの実施者 | 買主または売主 | 買主または売主 | 管理組合が実施するのが基本 |
つまり、建物状況調査は「ホームインスペクションのうち、国の基準にそったもの」というイメージです。重要事項説明の対象になるのもこちらになります。
一方で耐震診断は、建物全体の構造を評価するもので目的が異なります。マンションの場合は個人ではなく管理組合が主体となるため、買主が個別に依頼するものではありません。旧耐震・新耐震の見分け方については、「中古マンションの耐震基準は築年数でどう変わる?新耐震・旧耐震の見分け方」で詳しく解説しています。
マンションで調査できる範囲|専有部分が中心、共用部分は原則対象外
戸建てとマンションで大きく違うのが、この「調査できる範囲」です。
マンションで買主が依頼できるのは、基本的に専有部分=購入する住戸の室内にかぎられます。具体的には次のような箇所です。
- 室内の壁・床・天井(傾きやひび割れ、シミの有無)
- サッシまわりや天井の雨漏り跡
- 給排水管・給湯設備の劣化状況
- 電気設備の状態
- バルコニー(専用使用部分として確認できる範囲)
反対に、外壁・屋上・共用廊下・共用の配管といった共用部分は、管理組合の承諾がないと調査できないのが一般的です。購入を検討している段階の買主が、建物全体を診てもらうのは現実的ではありません。
そのため、共用部分については調査ではなく書類で状態を確認するのが基本になります。長期修繕計画書、大規模修繕の実施履歴、管理組合の議事録などが判断材料です。
「わかること」と「わからないこと」
依頼する前に、期待できることと期待できないことを整理しておくと、判断がぶれにくくなります。
基本の建物状況調査は、壊さずに見える範囲を確認する非破壊の調査です。そのぶん建物への負担はありませんが、見えない部分まで踏み込めるわけではありません。
配管の内部まで確認したい場合は、費用のセクションで解説するオプション調査を追加するかたちになります。「どこまで知りたいのか」を先に決めておくと、依頼するかどうかの判断もしやすくなります。

② 中古マンションにインスペクションは必要?必要性の判断基準
マンションは戸建てより必要性が低いといわれる3つの理由
インスペクションを調べていると、「マンションなら不要」という意見を目にすることがあります。これには一定の根拠があり、主に次の3つが理由です。
理由① 建物の維持管理を管理組合が担っている
戸建ては所有者が自分で修繕を判断しますが、マンションは管理組合が長期修繕計画にそって計画的に修繕を行います。外壁や屋上といった建物の要になる部分は、個人の手を離れて組織的に管理されているわけです。放置されて劣化が進む、という状況が起きにくい構造になっています。
理由② 調査できる範囲が専有部分に限られる
先ほど触れたとおり、買主が依頼できるのは室内が中心です。建物全体のコンディションを診てもらえるわけではないため、「調査したのに肝心なところがわからなかった」と感じるケースもあります。
理由③ 構造が鉄筋コンクリート造で、劣化のスピードが緩やか
木造の戸建てに比べると、鉄筋コンクリート造は雨漏りやシロアリといった深刻な劣化が起きにくい傾向があります。実際、建物状況調査の実施率は戸建てのほうが高く、マンションでは実施されないまま取引が進むことも珍しくありません。
ただし、これらはあくまで「一般論としてそうなりやすい」という話です。すべてのマンションに当てはまるわけではありません。
必要性が高まる5つのケース/見送ってよいケース
実施を前向きに検討したい物件には、いくつか共通した特徴があります。
ケース① 築30年以上が経過している
給排水管や給湯設備には交換の目安となる時期があり、築年数が進むほど更新が必要な設備が増えていきます。専有部分の配管が一度も交換されていない物件では、購入後すぐに工事が必要になることもあります。
ケース② 長期間空室になっている
人が住んでいない住戸は、換気や通水が止まった状態が続いています。排水トラップの水が蒸発して臭いが上がったり、湿気がこもってカビが発生したりと、居住中の物件では起きにくい問題が出やすくなります。
ケース③ 水回りが一度も交換されていない
キッチンや浴室が当時のまま残っている場合、見た目以上に内部が傷んでいることがあります。特に浴室の防水層は表からは判断しづらく、階下への漏水につながるリスクがある部分です。
ケース④ リノベーションを前提に購入する
工事の計画を立てる段階で建物の状態がわかっていれば、予算の見通しが立てやすくなります。「内装だけのつもりが、配管の交換で追加費用が発生した」という事態を避けやすくなるためです。リノベーション費用については「名古屋で中古マンションを買ってリノベーションするといくらかかる?」で詳しく解説しています。
ケース⑤ 修繕やリフォームの履歴がわからない
売主が過去の工事内容を把握していない、資料が残っていないという物件もあります。書類で確認できない以上、現地で状態を見るしか手立てがありません。
反対に、見送る選択もある
築浅で設備の更新時期がまだ先の物件、フルリフォーム済みで工事内容の資料が揃っている物件、売主が実施した調査報告書がすでにある物件などです。スケルトンまで解体するフルリノベーションを予定している場合も、解体時に状態が明らかになるため優先度は下がります。
大切なのは「やるかやらないか」の二択で考えることではなく、その物件で何を確認したいのかをはっきりさせることです。
内覧の目視確認では届かない範囲とは
「内覧でしっかり見れば十分では」と考える方もいらっしゃいます。実際、内覧で確認できることは少なくありません。
ただ、内覧とインスペクションでは役割が異なります。
| 内覧(買主自身) | インスペクション(専門家) | |
|---|---|---|
| 見る人 | 買主 | 建築士などの専門家 |
| 判断の軸 | 暮らしやすいかどうか | 建物の状態が基準を満たしているか |
| 使う道具 | 目と体感 | 水平器・含水率計・打診棒など |
| 時間 | 20〜30分程度 | 2〜3時間程度 |
| 記録 | メモや写真 | 報告書として残る |
床の傾きは体感ではわかりにくく、計測してはじめて数値として出てきます。壁の内部に湿気がこもっているかどうかも、専用の機器がなければ判断できません。内覧は「住み心地を確かめる場」、インスペクションは「建物の状態を測る場」と考えると整理しやすくなります。
内覧そのもののチェックポイントは、「中古マンション内覧で見るべきポイントとは?後悔しないためのチェックリスト」の記事にまとめています。
判断フロー|4つの質問でセルフチェック
最後に、必要性を自分で判断するための質問を用意しました。上から順に答えてみてください。

一つでも「検討をおすすめします」に行き着いた方は、費用や依頼のタイミングを次のセクションで確認してみてください。判断に迷う場合は、物件資料を見ながら仲介会社に相談してみるのも一つの方法です。
③ インスペクションの費用相場|何にいくらかかるのか

マンションの基本調査の費用目安と、面積による変動
インスペクションの費用は、依頼する会社や調査の内容によって幅がありますが、マンションの専有部分を対象とした基本的な調査であれば、5万円前後から10万円程度が一つの目安とされています。戸建てに比べると、調査範囲が住戸内に限られるぶん費用は抑えめです。
金額を左右する主な要素は次のとおりです。
専有面積
多くの会社が面積によって料金を区分しています。60〜70㎡台までは基本料金内に収まり、それを超えると加算されるという設定が一般的です。
調査の項目数
国の基準にそった建物状況調査なのか、事業者独自の項目を含むより広い調査なのかで変わります。
報告書の形式
写真付きで詳細にまとめられるものと、簡易な様式のものとで差が出ることがあります。
立ち会いや説明の有無
現地での立ち会い説明が含まれているかどうかも確認しておきたいポイントです。
見積もりを取る際は、金額だけでなく「どこまで見てもらえるのか」をセットで比較することをおすすめします。安い見積もりが、実は項目を絞った内容だったということもあるためです。
オプション調査の種類と費用感
基本の調査は、壊さずに見える範囲を確認するものです。それ以上を知りたい場合は、オプションを追加するかたちになります。
| 調査の種類 | 何がわかるか | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 給排水管の内視鏡(カメラ)調査 | 配管内部のサビ・詰まり・劣化の進み具合 | 数万円程度〜 |
| 赤外線サーモグラフィ調査 | 壁や天井の内部にある水分・断熱の欠損 | 数万円程度〜 |
| 給排水管の通水・漏水検査 | 実際に水を流したときの排水の状態 | 基本調査に含まれる場合あり |
| 室内空気環境の測定 | ホルムアルデヒドなど化学物質の濃度 | 数万円程度〜 |
| 詳細調査(劣化の原因究明) | 不具合が見つかった箇所の原因と対策 | 内容により変動 |
築年数が経った物件で特に相談が多いのが、給排水管のカメラ調査です。配管は壁や床の内側にあるため通常の調査では判断できず、購入後の工事費用に直結しやすい部分だからです。
ただし、オプションを増やせば増やすほど費用は積み上がります。「気になる箇所を一つ二つ絞って追加する」くらいの考え方で十分なケースがほとんどです。
所要時間と当日の準備
マンションの専有部分の調査にかかる時間は、おおむね2〜3時間程度です。60〜70㎡台の住戸であれば、この範囲に収まることが多くなっています。オプションを追加する場合は、さらに時間がかかります。
当日までに用意しておくとスムーズなのが、次のような資料です。
物件のパンフレットや間取り図、管理規約、過去にリフォームを行っている場合はその工事内容がわかる書類。あらかじめ調査会社に渡しておくと、建物の構造を踏まえた調査がしやすくなります。仲介会社を通して取り寄せられるものが多いので、早めに依頼しておくと安心です。
また、居住中の物件か空室かによって進め方が変わります。売主がまだ住んでいる場合は、家具が置かれている箇所は確認できないこともあります。空室であれば制約は少なくなりますが、電気や水道が止まっていると設備の動作確認ができません。事前に通電・通水の手配を仲介会社に相談しておきましょう。
立ち会いは必須ではありませんが、可能であれば同席をおすすめします。その場で気になる箇所を質問でき、報告書だけではつかみにくい「どのくらい深刻なのか」という感覚が得られるためです。
費用は誰が負担する?購入諸費用全体の中での位置づけ
インスペクションの費用は、依頼した側が負担するのが原則です。買主が依頼すれば買主、売主が売却前に実施すれば売主の負担となります。中古マンションの取引では、買主が自ら手配するケースが多くなっています。
ここで気をつけたいのが、この費用は購入時の諸費用に含まれていないという点です。
中古マンション購入の諸費用は、仲介手数料・登記費用・税金・住宅ローン関連費用などを合わせて物件価格の7〜10%程度が目安とされています。インスペクション費用はこれとは別に、任意で発生する支出です。
| 内容 | 詳細 |
|---|---|
| 一般的な諸費用 | 仲介手数料、登記費用、印紙税、不動産取得税、ローン関連費用など |
| インスペクション費用 | 上記とは別枠。実施する場合のみ発生 |
| 支払いのタイミング | 調査の前後(売買契約や決済とは別のタイミング) |
また、住宅ローンに組み込めるかどうかは金融機関によって扱いが異なります。多くの場合は自己資金で用意することになるため、資金計画を立てる段階で「実施するなら数万円〜10万円程度を別に見ておく」と、後から慌てずに済みます。
購入時にかかる費用の全体像については、「中古マンション購入の諸費用内訳」の記事で項目ごとに整理しています。
④ 依頼のタイミングと依頼先の選び方

依頼のタイミング3パターン
インスペクションをいつ実施するかによって、結果の使い道が変わってきます。大きく3つのパターンがあります。
パターン① 内覧に同行してもらう
内覧の際に専門家に立ち会ってもらう方法です。購入を決める前の段階なので、結果を踏まえて「この物件はやめておく」という判断ができます。
ただし、内覧の持ち時間は限られており、他の検討者が控えていることもあります。売主や仲介会社の了承が得られないケースもあるため、実施のハードルはやや高めです。また、複数の候補物件それぞれで実施すると、費用がかさみます。
パターン② 購入申込のあと、売買契約の前
もっとも選ばれているのがこのタイミングです。買いたい物件が一つに絞られた状態なので費用に無駄がなく、なおかつ契約前なので調査結果を購入判断に反映できます。
購入申込書(買付証明書)には法的な拘束力がないため、この段階で見送るという選択も可能です。
パターン③ 売買契約のあと
契約後に実施するパターンです。日程を組みやすく、売主の協力も得やすいという利点があります。
一方で、契約が成立している以上、結果が思わしくなくても簡単には引き返せません。手付金を放棄する必要が出てくる可能性もあります。購入後のリフォーム計画を立てるための調査と位置づけるなら有効ですが、購入するかどうかを判断する材料としては使いにくいタイミングです。
| 内覧に同行 | 申込後・契約前 | 契約後 | |
|---|---|---|---|
| 購入判断に使えるか | ◎ | ◎ | △ |
| 日程の組みやすさ | △ | ○ | ◎ |
| 費用の無駄の少なさ | △ | ◎ | ◎ |
| 主な目的 | 候補の絞り込み | 購入の最終判断 | 工事計画づくり |
契約前が望ましい理由と、当日の流れ
判断材料として活かすなら、売買契約の前に実施するのが基本です。ただし現実にはいくつかの壁があります。
まず、他人の所有物を調べる行為なので売主の承諾が必要です。居住中であれば生活空間に立ち入ることになるため、断られる可能性もあります。また、調査会社・売主・仲介会社の予定を合わせる必要があるため、申し込みから実施まで1〜2週間ほどかかることも珍しくありません。人気物件では、結果を待っている間に他の方に先に契約が進められてしまうこともあります。
こうした事情から、購入申込の段階で「インスペクションを実施したい」と早めに伝えておくことが実務上のポイントになります。
実際の調査は、次の4ステップで進みます。
- STEP1 事前準備(1〜2週間前)
調査会社への依頼、資料の受け渡し、売主の承諾取得と日程調整。空室の場合は通電・通水の手配も済ませます。 - STEP2 現地調査(2〜3時間)
床の傾きの計測、壁や天井の状態、水回りの設備などを基準にそって確認します。 - STEP3 立ち会い説明(30分程度)
その場でおおまかな結果を説明してもらいます。気になる箇所を見ながら質問できるタイミングです。 - STEP4 報告書の受領(数日〜1週間後)
指摘された箇所とその程度が、写真付きでまとめられています。
契約前に実施する場合は、STEP4がいつになるかを先に確認しておくことが大切です。報告書が届く前に契約日が来てしまっては、判断に使えません。
報告書に指摘があったときの購入判断への反映
築年数を重ねた建物であれば、何らかの指摘が出るのはむしろ自然なことです。大切なのは、指摘の中身を見分けることです。
すぐに対応が必要なもの
漏水の痕跡や設備の故障など、放置すると影響が広がる可能性がある箇所。購入後の工事費用として見込んでおく必要があります。
時期を見て対応すればよいもの
経年による劣化で、当面の生活に支障が出ないもの。数年後の交換を想定して資金を準備しておくという考え方になります。
経過を見るもの
現状では問題がなく、様子を見ていけばよいとされた箇所です。
対応が必要な箇所の工事費用を把握できると、「この物件は魅力的だけれど、購入後に○○万円かかりそう」という見通しが立ち、購入判断が具体的になります。
なお、指摘があれば必ず値引きされるというものではありません。価格交渉の進め方については、「中古マンションの価格交渉|知っておきたい基本と進め方」の記事で解説しています。
依頼先の選び方と、重要事項説明書で確認できること
自分で依頼する前に、その物件ですでに調査が実施されていないかを確認しておきましょう。宅地建物取引業法では、建物状況調査の実施の有無とその結果の概要、そして建物の維持保全に関する書類の保存状況を、重要事項説明で扱うことが定められています。過去1年以内に実施された調査があれば説明されるため、まずは仲介会社に確認してみてください。
依頼先は大きく3タイプ
自分で手配する場合、依頼先は次の3つに分かれます。
- インスペクション専門会社:調査を主業務としている会社です。実績が多く、報告書の形式も整っていることが一般的です。
- 建築士事務所:設計や工事監理を手がける事務所が調査も請け負っているケースで、建物の構造に踏み込んだ説明を受けやすい特徴があります。
- 仲介会社によるあっせん:媒介契約の段階で、仲介会社が調査業者をあっせんできるかどうかを示すことになっています。日程調整も進めてくれるため、手間が少なく済みます。
選ぶときに確認したい3点
まず、既存住宅状況調査技術者などの資格を持つ担当者が調査するか。建物状況調査として扱うには、この資格が必要になります。次に、報告書のサンプルを見せてもらえるか。写真や説明の詳しさは会社によって差があるため、事前に確認しておくとギャップを防げます。
もう一つが、その会社がリフォーム工事も請け負っているかどうかです。調査と工事を同じ会社が担うことに懸念を持つ方もいらっしゃる一方、ワンストップで進められる利点もあります。どちらがよいかはご自身の考え方しだいです。
既存住宅売買瑕疵保険との関係
関連して押さえておきたいのが、既存住宅売買瑕疵保険です。引き渡し後に建物の欠陥が見つかった場合に補修費用などがカバーされる仕組みで、加入には保険法人の定める検査に合格する必要があります。この保険の付保証明書は、住宅ローン控除などの税制優遇を受ける際の要件を満たす書類として使われる場合があるため、旧耐震基準の物件を検討している方は確認しておくとよいでしょう。
重要事項説明書で確認すべき記載項目については、「重要事項説明書とは?中古マンション購入前に確認すべき記載項目」の記事で詳しく解説しています。
⑤ 名古屋の中古マンション市場で、インスペクションはどう使われているか【くらココ。の現場から】

自社掲載物件データから見る築年数の分布と検討の目安
名古屋市内で流通している中古マンションは、築年数の幅がとても広いのが特徴です。くらココ。が扱っている物件も、築10年前後のものから築45年を超えるものまで揃っています。
エリアによって傾向が分かれるのも、名古屋ならではの部分です。中区・東区・千種区といった都心部は早い時期からマンションが建てられてきたため、築30年以上の物件が一定数あります。港区・南区・中川区などの南部・西部は価格帯が抑えめで、購入後にリノベーションを前提とする方が多いエリアです。一方、緑区・名東区・天白区などの東部は比較的新しい住宅地が広がり、築浅の物件も見つかります。
こうした分布を踏まえると、築年数が進んだ都心部の物件や、リノベーションを前提とした南部・西部の物件で、インスペクションの検討価値が高くなりやすいといえます。
スタッフが実際に受ける相談と、そのときの案内内容
店舗で寄せられるご相談で最も多いのが、「築古の物件が気になるけれど、大丈夫か不安」というものです。この場合まずお伝えしているのは、書類で確認できることから始めましょうということ。長期修繕計画書や大規模修繕の履歴には、建物全体の状態を知る手がかりが詰まっています。それでも専有部分に気になる点が残るようであれば、インスペクションを検討するという順番です。
次に多いのが、リノベーションを前提としたご相談です。この場合は工事の範囲によって案内が変わります。内装中心であれば事前に配管や下地の状態がわかることで予算の精度が上がりますが、スケルトンまで解体する計画なら解体時に判明するため、優先度は下がります。
お客様の声|「見えない部分」への不安をどう解消したか
ご購入されたお客様に共通しているのは、不安を抱えたまま進めるのではなく、確認できることを一つずつ潰していったという点です。書類の確認、内覧での質問、専門家への相談と、使える手段を組み合わせていく発想が、結果的に納得感につながっています。インスペクションはそのための手段の一つであり、必ず使わなければならないものではありません。
お客様の実際の体験談は、こちらのページでご覧いただけます。
▶ お客様の声一覧を見る
⑥ 中古マンションのインスペクションに関するよくある質問(FAQ)

Q1. 売主や管理組合の許可がないと実施できませんか?
はい、専有部分であっても売主の承諾が必要です。まだ所有権が移っていない他人の住まいを調べることになるためで、手続きは仲介会社を通じて売主に打診してもらう流れが一般的です。
管理組合の承諾は、専有部分の調査であれば通常は不要です。ただしマンションによっては業者の立ち入りに事前届出を求めている場合があるので、日程が決まったら仲介会社に確認しておくと安心です。
Q2. 実施済みの物件は、あらためて依頼しなくてよいですか?
まずは報告書の中身を確認してみてください。見ておきたいのは「いつ実施されたものか」「どこまで調べられているか」「誰が依頼したものか」の3点です。
内容に納得でき、ご自身が気になっている箇所が調査対象に入っているのであれば、あらためて依頼する必要はありません。費用をかけずに判断材料が得られるという点で、実施済みの物件はむしろ有利といえます。
Q3. リノベーション済み物件でも依頼する意味はありますか?
工事の範囲によって変わります。壁紙や設備の入れ替えといった表層のみの工事であれば、配管や下地は以前のまま残っていることがあるため、確認する意味は十分にあります。
一方、配管の交換まで含めて工事されている場合は、その内容を示す資料を確認できれば十分なことが多くなります。「リノベーション済みだから安心」でも「不要」でもなく、工事の中身を確認することが先ということです。
⑦ まとめ|必要性は「物件の状態」と「購入後の計画」で決まる

この記事の要点整理
中古マンションのインスペクションは、建築の専門家が建物の状態を診断する調査です。ただし、その後の不具合を保証するものではなく、判断材料を一つ増やすための手段と考えるのが実情に近いといえます。
マンションで調べられるのは専有部分が中心で、外壁や共用配管といった共用部分は原則として対象外です。建物全体の状態は、長期修繕計画書や修繕履歴といった書類で確認していくことになります。
必要性が高まりやすいのは、築30年以上が経過している物件、長期間空室が続いている物件、水回りが未更新の物件、そして内装中心のリノベーションを予定している場合です。反対に、築浅の物件や、スケルトンまで解体する計画がある場合は、優先度が下がります。
費用の目安は5万円前後から10万円程度で、購入時の諸費用とは別枠の支出になります。給排水管のカメラ調査などのオプションを追加すると、さらに費用がかかります。
そして実施のタイミングは、購入申込のあと・売買契約の前が基本です。契約後では結果を購入判断に反映しにくくなるため、実施を考えているのであれば早めに意向を伝えておくことが大切です。
⑧ 名古屋の中古マンション探しならくらココ。にご相談ください

「気になる物件はあるけれど、築年数が気になる」「リノベーションを考えているが、どこまで費用がかかるか読めない」——そうした段階でのご相談も、くらココ。では歓迎しています。
くらココ。が選ばれる理由
- 名古屋エリアに特化して10年、累計10,000組以上のご相談実績:地域の市場やエリアごとの特性を踏まえたご提案ができます
- 約7,000件の物件情報から比較検討が可能:名古屋16区を幅広くカバーし、会員登録で非公開物件もご覧いただけます
- 中古物件探しからリノベーションまでワンストップで対応:物件選びの段階から工事の見通しをあわせてお伝えできます
- 宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーなどの有資格者が在籍:資金計画から建物の見方まで、専門的な視点でサポートします
インスペクションを入れるべきか迷っている、書類の見方がわからない、といった段階でも構いません。無理な営業は行っておりませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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