
名古屋で住みやすい区を探すなら、治安・家賃・交通の3つを見比べて絞り込むのが近道です。
名古屋市は16の行政区に分かれていて、区によって家賃相場にも住環境にも大きな差があります。中心部に近い区は交通の便がよくても価格が上がりやすく、周縁部は価格を抑えられても地下鉄が1路線だけというケースも。すべてを同時に満たせる区はほとんどないため、どこを優先するかで候補は変わってきます。
この記事の要約
- 名古屋の住みやすさは「治安・家賃・交通」の3軸で見ると判断しやすく、優先する2つを決めると候補が絞れます
- 治安は区単位ではなく駅や町丁目単位で差が出るため、区名だけで判断すると精度が下がります
- 3軸の総合評価から、住まい探しの出発点になる6区を整理しました
くらココ。では名古屋エリアの中古マンションを約7,000件掲載しています。会員限定の非公開物件もありますので、気になる物件があればお気軽にご覧ください。
この記事は、宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・マンションリノベーションアドバイザーの有資格者が集まるくらココ。編集部がお届けします。名古屋の中古マンションに特化して10年、累計10,000組以上のご相談をいただいてきました。区ごとの違いを知ることで、ご自身に合ったエリアが見つかる助けになれば幸いです。
目次
「住みやすい区」とは?名古屋で判断される3つの条件

住みやすい区とは、治安・家賃・交通といった暮らしの土台が、自分の希望とバランスよく合っている区のことです。名古屋市の16区にはそれぞれ違った特徴があり、どの区が住みやすいかは何を優先するかで変わってきます。
まずは判断の土台となる考え方を整理していきましょう。
住みやすさとは「人気度」ではなく「暮らし続けやすさ」
「住みたい街ランキング」と「住みやすい街」は、実は別のものを見ています。
住みたい街は、知名度やイメージの良さが反映されやすい指標です。一方の住みやすさは、毎日の暮らしが無理なく続けられるかどうかを見ます。買い物のしやすさ、通勤時間、家賃の負担感、夜道の安心感といった、地味ですが生活に直結する要素です。
人気の高い街は人が集まるため、家賃相場が上がりやすく、繁華街に近いエリアでは夜間の騒がしさが気になるケースもあります。憧れで選んだ街が、住んでみると自分の生活リズムに合わなかったという声も少なくありません。
だからこそ、イメージではなく条件で見ていくことが大切になります。
この記事で使う3つの評価軸
この記事では、次の3つの軸で名古屋の各区を見ていきます。
| 評価軸 | 何を見るか |
|---|---|
| ① 治安 | 人口10万人あたりの刑法犯認知件数、繁華街・歓楽街の有無 |
| ② 家賃・価格の負担感 | 市内全体の中での相対的な価格水準(高め/中位/低め) |
| ③ 交通利便性 | 地下鉄の路線数、名古屋駅・栄への乗り換えの有無 |
① 治安は、名古屋の住みやすさを調べる方がもっとも気にされる項目です。ただし件数をそのまま比べると実態を見誤りやすいため、人口で割った数字で見ていきます。
② 家賃・価格の負担感は、同じ予算でどれだけの広さや駅距離が確保できるかという視点です。価格が安いこと自体も、住みやすさを支える要素のひとつといえます。
③ 交通利便性は、路線数だけでなく「乗り換えなしで主要駅に出られるか」が体感を大きく左右します。
この記事の評価の前提と注意点
評価の前提として、3点ご確認ください。
1つ目は、データの出典です。治安については愛知県警が公表する区別の刑法犯認知件数、人口は名古屋市が公表する区別の推定人口をもとにしています。価格水準については、くらココ。が取り扱う約7,000件の物件情報から見た傾向です。いずれも公表・集計の時期によって数字は変動しますので、あくまで目安としてご覧ください。
2つ目は、すべての方に当てはまる1位は存在しないという点です。3つの軸のうちどれを重視するかで、順位は入れ替わります。通勤時間を最優先する方と、静かな環境を求める方では、選ぶべき区が変わってくるのが自然です。
3つ目は、区という単位の限界です。名古屋市の区はひとつでも広く、同じ区内でも駅や町丁目によって雰囲気や相場は変わります。区で候補を絞ったあとは、駅単位・物件単位で見ていく流れが現実的とされています。
この前提をふまえて、次はもっとも関心の高い治安から見ていきます。
治安から見る名古屋の住みやすい区|数字の読み方と注意点

名古屋で住みやすい区を探すとき、多くの方がまず気にされるのが治安です。ただ、犯罪の件数をそのまま比べると、実態とはずれた印象を持ってしまうことがあります。
ここでは公的なデータをもとに、区ごとの傾向を見ていきます。
治安は「人口あたりの件数」で比べる
犯罪の件数は、人口が多い区ほど自然と増えます。そのため件数だけを並べると、人がたくさん住んでいる区が一方的に不利になってしまいます。
比べるときは、次の3ステップで数字をそろえるのが基本とされています。
- 区ごとの犯罪件数を確認する
- 区ごとの人口を確認する
- 件数を人口で割り、「住民1万人あたり何件」に換算する
この換算をすると、区の規模に左右されずに比較できるようになります。
【データ】名古屋16区の街頭犯罪発生率
愛知県警察が公表する警察署別の街頭犯罪等(10罪種)の件数を、名古屋市の区別人口で割って算出した結果です。街頭犯罪等とは、自転車盗や車上ねらい、ひったくりなど、屋外で発生しやすい10種類の犯罪をまとめたものです。
| 順位 | 区名 | 街頭犯罪等の件数 | 人口 | 住民1万人あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 名東区 | 180件 | 161,768人 | 11.1件 |
| 2 | 瑞穂区 | 132件 | 109,979人 | 12.0件 |
| 3 | 天白区 | 268件 | 162,368人 | 16.5件 |
| 4 | 千種区 | 308件 | 173,734人 | 17.7件 |
| 5 | 昭和区 | 201件 | 109,498人 | 18.4件 |
| 6 | 南区 | 296件 | 132,144人 | 22.4件 |
| 7 | 緑区 | 568件 | 247,390人 | 23.0件 |
| 8 | 北区 | 446件 | 160,399人 | 27.8件 |
| 9 | 西区 | 433件 | 154,443人 | 28.0件 |
| 10 | 熱田区 | 196件 | 68,255人 | 28.7件 |
| 11 | 中川区 | 655件 | 216,734人 | 30.2件 |
| 12 | 東区 | 296件 | 91,259人 | 32.4件 |
| 13 | 守山区 | 604件 | 175,769人 | 34.4件 |
| 14 | 港区 | 483件 | 132,228人 | 36.5件 |
| 15 | 中村区 | 604件 | 147,515人 | 40.9件 |
| 16 | 中区 | 731件 | 110,032人 | 66.4件 |

出典:愛知県警察「年間警察署別・校区別発生状況」(令和8年1月〜8月/暫定値)、名古屋市「毎月1日現在の世帯数と人口」(令和8年8月1日現在)をもとに当社が算出
もっとも数値が低いのは名東区で、住民1万人あたり11.1件でした。次いで瑞穂区、天白区が続きます。上位に並ぶのは、いずれも市の東部から南東部にある住宅地です。
一方で中区は66.4件と、もっとも低い名東区の約6倍という数字になっています。
数値が低い区に共通する3つの特徴
上位に入った区を見ると、次のような共通点があります。
- 繁華街・歓楽街をほとんど抱えていない
- 計画的に整備された住宅地が中心である
- 昼間に外部から流入する人が比較的少ない
住宅としての用途に特化した区ほど、数値が落ち着く傾向が見られます。名東区や天白区、瑞穂区はまさにこのタイプにあたります。
中区・中村区の数値が高く出る理由
中区と中村区の数値が高いのは、この2区に栄と名古屋駅という2大拠点があることが関係しています。
街頭犯罪の件数は、その場所で発生した件数として集計されます。一方の人口は、そこに住民票がある方の数です。つまり買い物や通勤で訪れた人が被害に遭ったケースも、その区の件数として積み上がる仕組みになっています。
名古屋駅や栄には市内外から多くの人が集まりますが、その人数は分母には含まれません。そのため数値が実際の住み心地より厳しく出やすい構造があるといえます。
住宅地としての落ち着きと、商業地としての数字は切り離して見るほうが実態に近いでしょう。
「住んではいけないエリア」という言葉への向き合い方
名古屋の住みやすさを調べていると、「住んではいけないエリア」という表現を目にすることがあります。ただ、区の単位でそう言い切れるものではないと考えています。
理由は、区がひとつでもかなり広いことです。たとえば緑区の面積は37.91平方キロメートル、中川区は32.02平方キロメートルあります。同じ区内でも、駅前の繁華街と区の端の住宅地では雰囲気が大きく異なります。
区名で判断するかわりに、次の3つを確認する方法が現実的です。
- 愛知県警察の校区別データを見る:小学校区ごとの発生状況が公表されており、区より細かい単位で確認できます
- 候補の駅周辺を昼と夜の両方で歩く:人通り、街灯の数、店の種類は時間帯で変わります
- 物件そのものの防犯設備を確認する:オートロック、防犯カメラ、玄関の施錠方式など
区で候補を絞ったあとは、駅単位・物件単位まで下げて見ていく流れが安心につながります。
家賃・価格と交通利便性で候補を絞る

治安の傾向がつかめたら、次は家賃や価格の負担感と、交通の便を重ねて見ていきます。この2つを加えることで、候補がぐっと絞りやすくなります。
価格の負担感で見た3つの層
名古屋市内の中古マンション価格は、区によって大きく変わります。具体的な金額の目安は名古屋の中古マンション購入の相場と費用で解説していますので、ここでは市内全体の中での位置づけを3つの層に分けて整理します。
| 層 | 区 | 傾向 |
|---|---|---|
| 高め | 中区・千種区・昭和区 | 都心立地や人気住宅地。需要が安定している |
| 中位 | 名東区・東区・瑞穂区・天白区・中村区 | 住環境と価格のバランスが取りやすい |
| 低め | 緑区・守山区・西区・熱田区・北区・中川区・南区・港区 | 同じ予算で広さや駅距離を確保しやすい |
※2026年9月時点のくらココ。取扱物件をもとにした区分です。市場動向により変動します
価格が低めの層は、条件が劣るという意味ではありません。同じ予算でより広い間取りや築浅の物件を選べるため、価格の抑えやすさも住みやすさを支える要素のひとつと考えられます。
一方で高めの層は、購入時のハードルは上がりますが、需要が安定しているため中古市場で買い手がつきやすい傾向があるといわれています。
交通利便性は「路線数」と「乗り換えの有無」で見る
交通の便を見るとき、駅からの距離だけを気にされる方が多いのですが、実際の体感を左右するのは次の2点です。
- 地下鉄の路線が何本通っているか
- 名古屋駅・栄へ乗り換えなしで行けるか
路線が2本以上通る区は、目的地に応じて使い分けができます。片方が止まっても代替手段があるという安心感もあります。
そしてもうひとつ大きいのが乗り換えです。所要時間が同じでも、乗り換えが1回あるだけで通勤の負担感は変わってきます。
6区の地下鉄の状況を整理すると、次のようになります。
| 区 | 地下鉄の主な路線 | 名古屋駅・栄への傾向 |
|---|---|---|
| 千種区 | 東山線・桜通線・名城線 | 乗り換えなしで両方へ |
| 昭和区 | 桜通線・鶴舞線・名城線 | 乗り換えなしで両方へ |
| 瑞穂区 | 桜通線・名城線 | 乗り換えなしで両方へ(駅により異なる) |
| 名東区 | 東山線 | 乗り換えなしで両方へ |
| 天白区 | 鶴舞線・桜通線 | 駅により乗り換えが必要な場合あり |
| 緑区 | 桜通線(終点・徳重) | 乗り換えなしで名古屋駅へ |
千種区と昭和区は3路線が通り、市内でも利便性の高いエリアといえます。名東区は東山線1本ですが、名古屋駅と栄の両方へ乗り換えなしで出られる点が強みです。
なお通勤時間の目安は、同じ区内でも最寄り駅によって10分以上変わることがあります。候補の駅が決まったら、実際の時間帯で試してみると確実です。
治安・家賃・交通は同時に満たしにくい
ここまでの3つの軸を重ねると、名古屋のエリア選びにある構造が見えてきます。
都心に近い区は交通の便が良い反面、価格が上がりやすく、繁華街を抱える区では街頭犯罪の数値も高めに出ます。
市の周縁部にある区は治安の数値が落ち着き、価格も抑えやすい一方で、地下鉄の路線が限られるケースが多くなります。
その中間にある区は3つの軸がそれぞれ中程度にまとまりますが、どれかが突き抜けているわけではありません。
つまり3つすべてで最上位という区は、市内にほとんど存在しません。だからこそ、まず優先する2つを決めることが絞り込みの近道になります。
たとえば治安と交通を優先するなら千種区や名東区、治安と価格を優先するなら緑区や天白区、といった形で候補が変わってきます。

次の章では、この3軸をまとめた6区の総合評価を見ていきます。
【6区】治安・家賃・交通の総合評価

ここまでの3つの軸をもとに、住まい探しの出発点になる6区を整理します。いずれも街頭犯罪の数値が市内で低い水準にあるエリアです。
6区の総合評価一覧
| 区名 | 治安 | 家賃・価格 | 交通 | 総合的な特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 千種区 | 1万人あたり17.7件で市内4番目に低い | 市内では高めの層 | 地下鉄3路線。名古屋駅・栄へ乗り換えなし | 3軸のバランスがもっとも良く、価格を許容できるなら有力 |
| 昭和区 | 1万人あたり18.4件で市内5番目に低い | 市内では高めの層 | 地下鉄3路線。名古屋駅・栄へ乗り換えなし(駅により異なる) | 文教地区で落ち着いた住環境。長く住む前提の方に向く |
| 瑞穂区 | 1万人あたり12.0件で市内2番目に低い | 市内では中位の層 | 地下鉄2路線。名古屋・栄駅へ乗り換えなし(駅により異なる) | 治安の数値と価格のバランスが良く、派手さはないが安定 |
| 名東区 | 1万人あたり11.1件で市内もっとも低い | 市内では中位の層 | 東山線1本。名古屋駅・栄の両方へ乗り換えなし | 街頭犯罪の数値が市内で最も低い。広めの物件が見つかりやすい |
| 天白区 | 1万人あたり16.5件で市内3番目に低い | 市内では中位の層 | 地下鉄2路線。住む場所により路線が分かれる | 価格と住環境の両立を狙いやすく、子育て世帯に人気 |
| 緑区 | 1万人あたり23.0件で市内7番目に低い | 市内では低めの層 | 桜通線の終点・徳重から名古屋駅へ乗り換えなし | 同じ予算で広さを確保しやすい。都心からの距離は長め |
治安の数値は愛知県警察「年間警察署別・校区別発生状況」(令和8年1月〜8月/暫定値)と名古屋市「毎月1日現在の世帯数と人口」(令和8年8月1日現在)をもとに算出しています。
6区それぞれの注意点と向いている方
- 千種区:価格が高めの層のため、同じ予算だと広さや築年数で譲る必要が出ます。通勤時間と住環境の両方を重視する方に向いています。
- 昭和区:千種区と同様に価格は高めです。教育環境と静かな街並みを優先し、長く住む前提の方に向いています。
- 瑞穂区:大型商業施設や話題のスポットは少なめです。落ち着いた環境と価格のバランスを求める方に適したエリアです。
- 名東区:市の東端にあるため都心までの所要時間は長めです。治安を最優先しつつ広さも確保したいファミリー層におすすめです。
- 天白区:鶴舞線沿線と桜通線沿線で使う路線が分かれるため、通勤先に合わせて住む場所を選ぶ必要があります。広さと価格の両立を求める子育て世帯に向いています。
- 緑区:6区の中では街頭犯罪の数値がもっとも高く、区内に地下鉄駅のない地域も残ります。広さと価格を優先し、車移動も想定できる方であれば有力な候補になります。
6区以外も含めた各区の相場・住環境・アクセスは、名古屋16区のエリア別完全ガイドでまとめて比較しています。
6区に入らなかった区の見方
優先する軸を変えると、評価は入れ替わります。
南区は街頭犯罪の数値が1万人あたり22.4件で市内6番目に低く、治安の面では6区と遜色ありません。今回含めなかったのは地下鉄が桜通線のみで、交通の軸で一歩譲るためです。車移動が中心の方には有力な候補になります。
中区・中村区・東区は数値が高めに出ますが、これは栄や名古屋駅という拠点を抱える構造によるところが大きいと考えられます。通勤時間を最短にしたい方にとっては、他の区では替えられない利便性があります。
守山区・中川区・港区・北区・西区・熱田区は、価格を抑えて広さを確保したい場合の選択肢です。
ライフスタイル別|あなたに合う区の選び方

同じ6区でも、暮らし方によって向き不向きは変わります。ここでは優先しやすい軸ごとに、候補の絞り方を整理します。
一人暮らし・単身の場合
通勤時間と治安を優先する方が多い層です。この2つで見ると、千種区・名東区が候補になります。どちらも名古屋駅と栄の両方へ乗り換えなしで出られ、街頭犯罪の数値も低い水準です。
価格を抑えたい場合は、瑞穂区や天白区で駅徒歩圏の物件を探す形も現実的でしょう。
子育てファミリーの場合
住環境と広さを優先するケースが多くなります。候補は天白区・名東区・緑区です。いずれも公園が多く、同じ予算で広めの間取りを確保しやすいエリアです。
教育環境を重視するなら、文教地区として知られる昭和区も選択肢に入ります。学区は同じ区内でも分かれますので、お子さまの進学先まで見据える場合は町丁目単位での確認が必要になります。
夫婦・二人暮らしの場合
価格と利便性のバランスを取りたい層です。瑞穂区・天白区は価格が中位の層にとどまり、地下鉄2路線が使えます。
将来お子さまを考えている場合は、広さに余裕を持たせておくと住み替えの必要が生じにくくなります。
候補を2〜3区に絞る3ステップ
最後に、絞り込みの手順をまとめます。
- 3軸のうち優先する2つを決める:3つすべてで最上位の区はほとんどないため、まず捨てる軸を決めます
- 一覧表で該当する区を抽出する:優先した2軸が当てはまる区を2〜3つ選びます
- 候補の駅周辺を昼と夜に歩く:人通り、街灯、店の種類は時間帯で変わります
物件を見るときの判断基準は名古屋の中古マンション選び方で解説しています。

くらココ。の現場から見た、エリア選びのリアル

ここまでデータをもとに6区を整理してきました。ただ、実際にお住まい探しをされる方の動きは、データどおりとは限りません。名古屋の中古マンションに特化して10年、累計10,000組以上のご相談をいただいてきた現場から見えてきたことをお伝えします。
ご希望のエリアと、最終的に決まる区にはずれが出やすい
ご相談の初期には、人気の高い区を挙げられる方が少なくありません。ただ実際に物件を見ていくと、予算と広さのバランスから隣接する区に決まるケースがよくあります。
たとえば千種区をご希望だった方が、同じ東部エリアの名東区や天白区で条件に合う物件に出会うといった流れです。区名は変わっても、通勤時間や住環境の希望はおおむね満たせることが多いように感じます。
最初から1つの区に絞り込まず、2〜3区を並行して見ていく方が選択肢が広がるとお伝えしています。
エリアを3つの条件で絞り込まれた事例|名古屋市昭和区 O様
昭和区で中古マンションを購入されたO様は、お住まい探しで重視した点として「エリアを絞ったこと」を挙げてくださいました。具体的には治安、ご実家からの距離、駅からの近さという3つの条件です。
もともと一軒家にお住まいだったため、マンションで本当によいのか迷われていたとのこと。実際に物件をご覧いただくなかで、リノベーション済みの状態のきれいさに納得され、購入を決められました。
これからお住まい探しをされる方へのアドバイスとして、早めに動くことと、自分たちが求める条件を詰めていくことの大切さを挙げてくださっています。満足度は100点満点でした。
条件を3つ程度に絞ってからエリアを見ていく進め方は、迷いが少なくなる方法のひとつといえます。
徒歩15分の移動でも住環境は変わる|名古屋市東区 S様
東区で購入されたS様は、以前お住まいだった賃貸から歩いて15分ほどの距離に移られました。大きく環境が変わったわけではないものの、周りにある施設の充実度がまったく違ったと話されています。
これは区の単位では見えてこない差です。同じ区の中でも、徒歩圏にスーパーや病院、公園がそろっているかで、暮らしの快適さは変わってきます。
満足度は150点という評価をいただきました。区で候補を絞ったあとは、徒歩圏の環境まで確認することをおすすめしています。
賃貸の住みやすさと、買って住む住みやすさは別のもの
賃貸であれば、住んでみて合わなければ次の更新で住み替えるという選択ができます。一方で購入の場合は、将来売ったり貸したりする可能性まで含めて考えることになります。両者の判断材料の違いは、賃貸と購入のメリット・デメリット比較で詳しく整理しています。
そのため購入では、治安や利便性に加えて、駅からの距離や建物の管理状態も判断材料になります。これらは後から変えられない条件です。物件を見る段階では優先して確認されることをおすすめします。
名古屋の住みやすい区に関するよくある質問

名古屋で一番住みやすい区はどこですか?
治安・家賃・交通の3つをまとめて見ると、千種区がもっともバランスが取れています。地下鉄3路線が使え、街頭犯罪の数値も市内4番目に低い水準です。ただし価格は市内でも高めの層にあたります。
街頭犯罪の数値だけで見ると、もっとも低いのは名東区でした。どの軸を優先するかで答えは変わってきます。
家賃や価格を抑えて住みやすい区はありますか?
6区のなかでは緑区が価格の低めの層にあたり、同じ予算で広さを確保しやすいエリアです。桜通線の終点・徳重から名古屋駅へ乗り換えなしで行けます。
6区の外では南区も候補になります。街頭犯罪の数値は市内6番目に低く、価格も抑えめです。地下鉄が桜通線のみという点を許容できるかが判断の分かれ目になります。
名古屋の治安は他の大都市と比べてどうですか?
名古屋市全体の刑法犯認知件数は、令和7年に23,592件でした(名古屋市「市内の犯罪発生状況」より)。ただ他都市との比較は、集計の対象や時点をそろえる必要があるため、単純な優劣を申し上げるのは難しいところです。
市内で見ると、区によって数値には明確な差があります。住宅地を中心とする区は落ち着いた水準にとどまる傾向があります。
車がなくても生活できる区はどこですか?
地下鉄が複数通る千種区・昭和区・瑞穂区は、車がなくても生活しやすいエリアです。いずれも駅周辺に商業施設がそろっています。
一方で緑区は区内に地下鉄駅のない地域も残っているため、住む場所によっては車があると便利です。同じ区内でも駅からの距離で状況が変わりますので、候補物件ごとに確認されることをおすすめします。
エリアが決まっていない段階でも相談できますか?
もちろん大丈夫です。「名古屋に転勤が決まったけれど、どの区がいいのかわからない」という段階でのご相談も多くいただいています。ご希望の条件をお聞きしながら、候補となるエリアを一緒に絞り込んでいく形で進められます。物件を決める前提でなくても問題ありません。
まとめ|名古屋の住みやすい区は優先する2軸で決まる

名古屋で住みやすい区を探すときの考え方を整理してきました。要点は次の4つです。
- 住みやすさは人気度とは別の指標です。「住みたい街ランキング」は知名度が反映されやすく、暮らし続けやすさとは違う視点で評価されています。
- 治安は人口あたりの件数で比べます。件数だけを並べると人口の多い区が不利になります。中区や中村区の数値が高く出るのは、栄や名古屋駅という拠点を抱える構造によるところが大きいと考えられます。
- 治安・家賃・交通の3つを同時に満たす区は、市内にほとんどありません。まず優先する2つを決めることが、候補を絞る近道になります。
- 区は判断の出発点にすぎません。同じ区でも徒歩圏の環境や駅からの距離で暮らしやすさは変わります。候補を絞ったあとは、昼と夜の両方で現地を歩いて確認されることをおすすめします。
本記事で挙げた6区は、千種区・昭和区・瑞穂区・名東区・天白区・緑区です。いずれも街頭犯罪の数値が市内で低い水準にあり、生活インフラも整っています。
ただし6区のなかにも、価格が高めの区と抑えやすい区、地下鉄が3路線の区と1路線の区があります。ご自身がどの条件を譲れないのかが決まれば、候補は自然と2〜3区に絞られていくはずです。
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